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- 第1回 漢方生活の基礎知識〜漢方独特の考え方をマスター〜
- 漢方というと難しく感じますが、風邪に生姜湯といった民間療法も、漢方のひとつ。漢方理論には、生活を健康で豊かにするヒントが詰まっています。まずは自分の体質を知り、不調の原因を探ってみましょう。

薬日本堂
薬剤師
斎藤友香理さん
「なんとなく体がだるい」といったレベルの不調は、病院ではなかなか訴えづらいもの。
そんな曖昧な不調も体からのサインととらえ、改善していけるのが漢方です。漢方の理論を知り、生活に生かしていくことは、日々を健康に生きる大きなヒントになるはずです。
↑漢方薬の一例。植物の根や種、葉だけでなく、動物や鉱物も使われます
漢方と聞くと中国医学というイメージがありますが、古典中国医学の影響を受け、日本で確立された医学が漢方です。独特の診断法である舌診なども参考に、漢方薬を処方していきます。漢方薬の成分は、植物を中心とした生薬で、約3000種ありますが、今では約200〜300の生薬のうち、2種類以上を組み合わせ、個人の体質や体調、症状によって処方していきます。「一に養生、二に漢方」という言葉があるように、旬の食材を食べてパワーを得る薬膳や質の良い睡眠、休養といった養生も漢方を取り入れる上で欠かせないことと、覚えておきましょう。
漢方薬は自然素材でできており、体質にあったものを服用すれば、副作用が少ないと言われます。人によっては匂いや味になじめず、吐き気が起こる、お腹がゆるくなるといった症状がでることも。不調は飲んで1〜2日で表れますが、その際は自分で判断せず、専門家に相談することが大切です。
西洋医学が“病気”に着目し、不調を排除するという対症療法的なアプローチであるのに対し、漢方は”病人”に着目。生活養生の助言や、弱い部分を漢方薬でフォローすることにより、その人自体の自然治癒力を高め、病気を改善させていきます。また、漢方の診断方法は、病気になる一歩手前“未病”をもとらえることができます。漢方薬局では、生活習慣のカウンセリングとともに、舌を見る舌診、体内成分を知る「気・血・水」チェックなど、さまざまな角度から不調を見つめ、その根底にある原因を突き止めていきます。すでに感じている不調と潜在的な不調、どちらも改善していけるのが、漢方なのです。
←日々の不調は、すぐ舌の状態に表れます。
舌のセルフチェックは毎朝の習慣にしてみて
東洋医学では、体の成分は「気・血・水」で構成されていると考えています。この成分は互いに影響し合いながら、全身を巡っており、成分が不足したり、巡りが悪くなると病気になると考えられています。「気」とは体を動かす基本エネルギー、「血」は血管を流れる血液など、「水」は汗やリンパ液など体液全般を差します。これらがスムーズに巡っていれば、代謝・自律神経・ホルモンバランスが整い、自然治癒力が上がることで、病気を遠ざけることができます。まずは、下の気・血・水チェックシートで自分の体質を知り、潜在的な不調の原因を探ってみましょう。
「気・血・水」チェックでの診断はどうでしたか? 40代以降の女性は、更年期による急激な変化もあり、気・血・水のバランスを崩れやすい傾向にあります。それぞれの不調に有効な一般的な漢方薬をご紹介しますので、参考にしてみてください。市販の漢方薬は、ほとんどが生薬のエキスを抽出した粉薬や手軽な錠剤です。一方、漢方薬局では生薬を煎じて飲む煎じ薬が処方されることもあります。こちらの方が、種類も多く、濃度が高いので本格的。煎じ薬、粉末、錠剤、どの処方が自分に適しているか、一回度薬剤師に相談してみるとよいでしょう。
※どの処方も一例です。体質が心配な方は専門家にご相談ください。
↑左は錠剤で一般的な薬局でも販売しています。右は煎じ薬。1日分ずつティーパックに包装されており、主に漢方薬局や医院で処方されます

- 胃腸を丈夫にし、貧血症状を改善。不安やイライラを鎮めます。ほか十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)なども用いられます。

- 精神不安やイライラを緩和。更年期障害にも向きます。ほか、加味逍遙散(かみしょうようさん)なども用いられます。

- 手足の冷えとのぼせ、更年期障害の改善に用いられる漢方。ほか、桃核承気湯(とうかくじょうきとう)なども用いられます。

- のどの渇き、尿量が少ないむくみなどを改善。ほか、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)なども用いられます。
漢方の煎じ薬と、市販されている漢方の粉薬や錠剤との違いは、含まれる成分の量です。効能、効果や注意事項、その他パッケージに記載された飲み方の表示をよく確認しましょう。また、不安な点があれば、医師、薬剤師に相談して下さい。















